闇紅の魔導師 发表于 2012-10-1 11:03:08

「大学合格」から始まる親の「マネー不安」

「大学合格」から始まる親の「マネー不安」
 大学入試もほぼ終わり、わが世の春を満喫している新大学生たち。だが、これから始まる「マネー不安」に戦々恐々の親もいるだろう。「授業料」そして地方出身なら「仕送り」もある。経済的負担はズシリとのしかかる。一体、大学生活にいくらかかるのか。その対策と裏ワザを探ってみた。

仕送リするなら「銀行口座」は親子共同で
 「地方から東京に送り出したら、1年で約400万円かかります」
 全国大学生活協同組合連合会(大学生協連)・経営開発チームの西垣内義則氏は、そう口にする。
 大学生協連調べによると、たとえば「私立文系・自宅外」の場合、「入学金」「前期納付金」「生活関連費」などで250万8900円。これに後期納付金、さらに毎月続く仕送り額を1年分加算すると、約400万円となる。
 大学最初の年だけで、家計にはこれだけの負担がのしかかってくるという。
 30年以上、大学生活を見守ってきた西垣内さんが勧める仕送りの裏ワザは、
 「子供には仕送りしたお金を三つに分けさせること」
 どういうことかというと、生活資金を①毎日使う②集金が決まっている③大事な時に使う――と、三つの銀行口座、あるいは三つの袋に分けて計画的に使うようにさせる。これでかなりの無駄遣いがなくなるそうだ。
 なるべく学校に行って光熱費を浮かせたり、コメは多めに炊いて小分けにして凍らせるなど、節約方法はいろいろあるという。
 とにかく無駄を省く。西垣内さんのもとには、学生の親からこんな(得)情報も寄せられている。
 「知らない土地で買うと高い買い物をしてしまう。自宅近くの安売り店などで少しずつ買いそろえておき、まとめて発送したほうが安くつきます」(熊本県・息子が都内の私立文系に入学したAさん)
 「家電は全国ネットの量販店で買い、子供の引っ越し先に無料配送してもらいました」(石川県・息子が私立理系のBさん)
 また、仕送りをする親は、振込料を節約する。たとえば、親子共同の銀行口座を持つ
「月々の仕送りを銀行から振り込むと、他行に3万円以上だとATMでも630円。10回で6300円はバカになりません。親が子供名義の通帳を持ち、仕送りする時は預け入れにする。子供はカードで引き出す。そのほうが断然、お得です」(愛知県在住・Cさん
4月からでも十分間に合う「奨学金」
 とはいえ、親が節約して頑張っても、仕送り額などが不足する場合がある。
 最初に思いつくのは、国民生活金融公庫や各銀行などで扱っている教育ローン。だが、「教育ローンはリスクが大きい」と言うのは、ファイナンシャルプランナーの豊田真弓さんだ。
「親が教育ローンという借金をしても、リターンがあるかどうかは分かりません。お子さんが、親の面倒見がいいなら別ですが、借金もリスクも結局、負担するのは親ということになる」
 親子の情を抜きにして、損得だけ考えればもっともなご指摘だ。「私なら奨学金をお勧めします」(豊田さん)
 将来、子供自身が返済する奨学金のほうが、学ぶことへの責任の持ち方も違ってくるというのだ。
 奨学金受給者の多くを占める国の制度「日本育英会」のほかにも、自治体や学校が運営している奨学金もある。なによりもまず、それぞれの自治体、大学に問い合わせるのが先決だ。
 日本育英会では、無利息の「第1種奨学金」と、利息が付く「きぼう21プラン奨学金」がある。進学前の申し込みはどちらも締め切っている。しかし、まだチャンスはある。
 同会広報課によると、進学後に申し込む「在学採用方式」の定期採用は4月。応募は学校を通す方式なので、早めに大学に問い合わせたほうがいい。
 また、文部科学省の設立許可を得ている民間の育英団体の奨学金を利用する方法もある。同省によると、奨学金を支給している公益法人は、1016団体。これを利用しない手はない。
 奨学金のなかには「給付」という形で、返還の必要がないものもある。たとえば、「小原白梅育英基金」は東大、京大や千葉商科大など18の指定大学から学生約70人を募集し、月額5万円の奨学金を給付している。
 同基金事務局によると、大学を通じて4月中に応募するシステムだというから、十分まだ間に合う。
 前出・豊田さんは、
 「こうした奨学金の受給基準は、多くが高校時代の成績や経済状況。成績が良ければ、返済義務のない給付奨学金、あるいは利息ゼロの奨学金もあります。支給団体を細かく調べれば、意外なメリットを発見できるかもしれませんよ」
「アルバイト選び」は急ぐべからず
 さて、子供たちに学業以外に励んでもらいたいのが、アルバイトだろう。
 「携帯電話からでも探せるし、コンビニでは情報誌も売っています。フリーマガジンや、たとえば『あす授業がなくなった』と連絡すると細切れ的な仕事が回ってくる登録型もある。アルバイトの探し方も今は多様化しています」
 アルバイト情報誌『an』を発行する学生援護会理事、木ノ内博通さんが、今どきのアルバイト事情をそう説明する。
 簡単に探せて、職種を選ばなければ豊富にあるアルバイト。だからこそ、
 「入学より先にアルバイトを決めてしまう学生もいますが、学生生活をどう過ごすのか、キャンパスライフのデザインをしっかり描いてからで間に合います」
 とくに注意しなければならない点を、木ノ内さんはこうアドバイスする。
 たとえば、アルバイト先で入会金を取られる場合などは要注意。また、リサーチ会社の募集と称した詐欺まがいの事例も。これは「いくらまで貸してくれるか調査するために、サラ金でカネを借りてこい」という仕事内容だったが、雇い主はカネを持って行方をくらましたという。
 こうしたあからさまな犯罪行為はともかく、表示金額は高く書かれていても、歩合制などで給与には反映しないこともある。世間知らずの大学生を騙すような勧誘があるので、要注意だ。
 木ノ内さんは最後に、
 「キャリア意識を持って取り組むことです。米国ではバイトもキャリアとして認められる。漫然とではなく、研究心を持ってやるなら立派なキャリア。卒業すれば職に就け、終身雇用だった時代とは違う。ただ稼ぐのではなく、どう生きるか考えて、アルバイトを探してください」
 アルバイト選びは急ぐべからず、ということか。しかし、親のスネをかじって大学生活をエンジョイする時代ではないことは、間違いないだろう。
 本誌・若狭毅 2004.4.4.サンデー毎日による


页: [1]
查看完整版本: 「大学合格」から始まる親の「マネー不安」