2007年CS予選も7月29日の大阪大会で終了しました。
前回のGW通信でも触れた「メタゲーム」によるデッキの変遷は福岡・東京・
大阪の各CS予選でも確実に存在し、それまでの大会で全く見なかったデッキタイプや少数派であったデッキタイプを選択するプレイヤーも増え、
そういったデッキも見事予選を通過しました。
今回のGW通信では前回に引き続き、「メタゲーム」の移り変わる中で
活躍したデッキを何故そのデッキが予選を通過したのかを考察しながら
ご紹介したいと思います。 |
● 青系デッキ |
「青単色デッキ」
前回のGW通信において「メタゲーム」により勝ちにくいデッキとされた
「青単色デッキ」ですが、「青単色デッキ」使用人数に対しての
予選通過人数は東京大会以降増えてきました。
これは「青単色デッキ」がメタゲームの中心から外れ、対照的に「青単色デッキ」に相性が良かった「緑中速デッキ」がメタゲームの中心となったことによります。
また、「青単色デッキ」自体も既存の形ではなく、「Gブル」(U-325)(展開力アップと強力な4国力ユニットの追加)や「G3ガンダム」(SP-21)(除去されたユニットの利用)の投入により変化をつけた形が特に結果を残しています。
「青中速デッキ」
名古屋大会でも多少見かけるようになった「青中速デッキ」ですが、福岡大会及び、東京大会で上位に食い込み、大阪大会でも予選通過者を出す事ができました。
このデッキの躍進の原動力は「ガンダムNT-1(チョバム・アーマー装着時)」(U-308)の投入によります。
このカードは白の「ヴォワチュール・リュミエール」(C-S87)と同様に、序盤の防御と強力ユニットとの相乗効果で中速デッキの多い現環境への回答を持つカードとなっています。
「青ウィニー」
これまでのCS予選での使用率、突破率は低かったのですが、東京大会で5名、大阪大会において6名の突破者を出したデッキタイプです。
もともとのデッキポテンシャルは高かったのですが、中速デッキが多く採用した拠点の存在による序盤のダメージ先行の難しさや、中盤以降に打点負けやサイズ負けしやすいことから大阪大会まではあまり見ることはありませんでした。
しかし、中速デッキへのメタゲームの結果、展開の遅い「コントロールデッキ」の使用者が増加し、そのデッキを倒す形で、結果を出したものと思われます。
前線のフォトグラフから投入された「戦技の習熟」(O-3)による打点アップと拠点耐性も見逃せないところです。
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 青単色デッキ | 2 | 8 | 5 | 青中速デッキ | 1 | 14 | 2 | 青ウィニー | 2 | 5 | 6 |
|
|
● 緑系デッキ |
「緑中速デッキ」
名古屋大会以降の各地区大会においても使用者の割合はかなり高かった「緑中速デッキ」ですが、上記2大会の結果においては「サイクロプス隊」タイプのデッキが多くの予選通過を果たしています。
元々16弾発売後にブレイクした「緑中速デッキ」は4国力の強力なユニットを大量に展開する形が主流でした。
しかし、18弾の登場以降「ケンプファー」(U-287)による打点だけではなく、制圧力を持つ「サイクロプス隊デッキ」が登場しました。
CS予選でも主に上記2タイプの「緑中速デッキ」が使用されていましたが、最終的に「緑中速4国力タイプ」のデッキは駆逐されていき、東京大会は3人のみ、福岡大会と大阪大会では1人の通過者も出すことはできませんでした。
実際に「緑中速デッキ」同士の対決だとした場合にも、ほとんどのユニットが防御力3以下の「緑中速4国力タイプ」では「ケンプファー」の持つチーム効果に対処するのは厳しいと言えます。
また、「サイクロプス隊デッキ」とは違った方向で緑中速デッキの持つ長所である打点の爆発力をさらに上げた「ゲルググデッキ」も東京大会、大阪大会共に好まれていたようです。
大阪大会においては、「ゲルググデッキ」の最大の敵であった「アプサラスⅡ」(U-278)に対して、「ガイア」(CH-61)・「マッシュ」(CH-62)・「オルテガ」(CH-63)を投入し、対抗力とさらなる爆発力を持ったデッキもありました。
結果としてCS予選を通じてもっともメタゲームの対象にあがった緑中速デッキですが、形を変え、タイプを変え、最終的にはほぼ全てのCS予選において最大のデッキ使用人数と最大の予選通過者を出すことになりました。
「緑ウィニー」
2007年のCS予選全体では「青ウィニー」よりも予選通過は少なかったのですが、東京大会・大阪大会では4人の予選通過者を出しました。
突破したデッキはどれも今までの「緑ウィニー」とは異なる構成をしており、プレイヤーの研究が実を結んだと言えます。
東京大会の「ザク・キャノン(イアン・グレーデン機)」(U-252)を使ったタイプや大阪大会の「ラル隊」タイプは打点だけではなく、今までにないデッキタイプということもあり、対戦相手にはかなり対応されづらかったと思います。
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 緑中速(4国力) | 0 | 3 | 0 | 緑中速(サイクロプス) | 1 | 15 | 7 | 緑中速(ゲルググ) | 2 | 6 | 4 | 緑ウィニー | 1 | 4 | 4 |
|
|
● 黒系デッキ | 「緑黒輝きデッキ」
名古屋大会で現れた新たなコントロールデッキと言える「緑黒輝きデッキ」は、東京大会・大阪大会でも1つのデッキ勢力でした。
依然として最大勢力の中速デッキに対抗するために生まれたと言ってもいい「緑黒輝きデッキ」は、「魂の輝き」(C-4)以外にも「サイコガンダム」(U-135)や「ジ・オ」(U-129)と言った、ユニット除去能力の高さにより、今までのコントロールデッキの主流だった黒赤コントロールデッキが有利な状況を作り、カウンターでその状況を固定すると言った動きをするのに対し、ユニット除去の枚数で常に有利な状況を作り続けるデッキといえます。
ただし、大阪大会では「コントロールデッキ」をメタゲームの対象とした「ウィニーデッキ」も復権してきており、今後の環境次第では同じような活躍ができるかどうかは怪しいところかもしれません。
既に先行公開されている19弾のカードの内、「ザンネック・キャノン」はこのデッキを含む「黒系コントロール」待望の1枚になりえるカードです。
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 黒重速デッキ | 2 | 2 | 1 | 黒茶輝き | 0 | 3 | 4 | 緑黒輝き | 3 | 13 | 5 |
|
|
● 赤系デッキ | 「赤中速デッキ」
東京大会、大阪大会でも「赤中速デッキ」を選択したプレイヤーも「緑中速デッキ」「白中速デッキ」に続いて多くいました。
基本的なユニット構成は金沢大会以降変わらずでしたが、他のデッキが中速デッキに対する対策カードを多く投入してきたこともあり、緑中速デッキ対策でもあった「尊き御言葉」(C-12)を抜いて、「もみ消し」(C-83)などのカウンターを増量したタイプが比較的結果を残しています。
基本的にどんなデッキも対策カードが増えれば厳しい戦いを強いられますが、赤系デッキはこのようなカウンターがあるため、他のデッキと比較しても対応力が高いと言えます。
19弾に収録される「レコードブレイカー」の登場は、「カウンター系のコントロールデッキ」や「赤中速デッキ」に朗報となるのではないのでしょうか?
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 赤中速デッキ | 0 | 11 | 5 |
|
|
● 茶系デッキ | 「カウンターパトゥーリア」
「パトゥーリア」は「中速デッキ」への「メタゲーム」が進む中で、選択された茶のリセットギミックの一つです。
「NT」が必要ではありますが、それさえ用意できれば「魂の輝き」と同じように4国力でキャラクターの乗っていないユニットを一掃でき、特に
「マリオン・ウェルチ」(CH-54)と組み合わせる事により毎ターン効果を発揮できるので中速デッキの勢いを止めるには十分な効果といえます。
緑や赤の中速デッキはキャラクターの枚数が少ない事もこのカードが選択された理由の一つと言えるでしょう。
「破滅デッキ」
また、大阪大会では久しぶりに「破滅デッキ」も2つ予選を通過しました。
通過順位の関係上デッキリストは紹介できませんが、MF中心のタイプとバルチャー中心のタイプであり、基本的には中盤までのビートダウン先行からの「破滅の終幕」(C-9)によるリセットで本国アドバンテージを稼ぐタイプでした。
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 茶単破滅デッキ | 0 | 0 | 2 | カウンターパトゥーリア | 0 | 0 | 4 | バカンスデート | 0 | 4 | 0 |
|
|
● 白系デッキ | 「ヴォワチュール型白中速デッキ」
白を選択したプレイヤーは、ほぼ「ヴォワチュール型白中速デッキ」でした。
ドローの豊富さによる安定性、「ヴォワチュール・リュミエール」(C-S87)による中速ビートダウンデッキの耐性や、「アカツキ(オオワシ装備)」(U-S121)等の敵軍効果に耐性のあるカードの存在のためコントロールデッキに対しても五分に戦える点で東京大会・大阪大会ともに使用率、通過人数共に多いデッキでした。
特に予選最大ブロックの東京大会では、唯一「緑中速デッキ」以上の予選通過者を出しています。
東京大会では特に「レジェンドガンダム」(U-S155)、もしくは「インフィニットジャスティスガンダム」(U-S138)の採用率が高く、「中速デッキ」に対しては効果的なタイミングで「ヴォワチュール・リュミエール」から出すことによって、防御力3以下のユニットで構成された「中速デッキ」に対してはかなり有利なデッキとなっていました。
このようにメタゲームの中心である「中速デッキ」とそれに対抗する「コントロールデッキ」の両方に対し、対抗できる武器を持っている所が名古屋大会以降も多くのプレイヤーに支持された点と言えるでしょう。
●福岡大会以降の予選通過人数(()は予選通過人数) | | 福岡大会(20) | 東京大会(128) | 大阪大会(64) | 白中速デッキ | 2 | 23 | 7 |
|
|
■「変革の叛旗」によるデッキの変革 |
全てのCS予選が終了し、8月末には19弾「変革の叛旗」が発売され、新たなゲーム環境となります。
今回のCS予選で実績を残した緑中速デッキに代表される中速デッキタイプが、新たなカードを
使い今迄以上の力を発揮するのか?
それとも、新たなカードから新たなデッキが誕生し、そのデッキが活躍するのか?
非常に興味深いところですね。 |